Android機種におけるauのLTEとWiMAX

auの秋冬モデルが発表されてしばし経ちますが、もうAndroidも全部LTE対応機種一色ですね。
au WiMAXとはいったいなんだったのかって感じです。
じゃあLTEにしたほうが良いの? っていう疑問が出てくると思うので、まとめてみました。


●料金的な話


月額で最安の話でいきます。誰でも割に入ってると仮定します。ユニバーサール料金はとりあえず無視しときます。数円だし。


WiMAX対応機種は780円のプランEシンプルが使えます。これは無料通話料無しで21円/30秒ってやつです。私みたいにかける相手が家族通話無料のカーチャンだけってぼっちにはこれで十分です。
パケット定額にはISシリーズ始まって(もう終わったようだけど)以来続いているISフラットが使えます。5460円です。
プロバイダにはIS NETが用意されています。315円。
そしてWiMAXは”使った月だけ”有料で525円です。これは自動的に適用されます。
テザリングについては特に料金はかかりません。
つまり、

WiMAXを使わなかった月
780(プランEシンプル)+5460(ISフラット)+315(IS NET)=6555円
・WiMAXを使った月
780(プランEシンプル)+5460(ISフラット)+315(IS NET)+525(WiMAX)=7080円

となります。


ではLTEはどうかというと、プランEシンプルは使えません。LTEは強制的に980円のLTEプランとかいうのに強制的に加入させられるようです。これも無料通話料がありませんが、1時〜21時の間のau同士の通話料無料という、まあいわゆるSBのホワイトプランのぱくりです。au相手以外や無料時間外はプランEシンプルと同様で21円/30秒です。
パケット定額にはこれまたLTE専用のものがありまして、LTEフラット5985円です。つまり強制的に毎月525円アップです。
プロバイダにはLTE NETが用意されています。これも315円。
そして重要なのが、テザリングを使う場合にはさらに搾り取られます。毎月525円です。WiMAXと違って、テザリングしなかった月は自動的に無料とかはないようです。自分で使う月だけ契約、使わない(と予想できる)月は前月までに解除の手続きをしなくてはいけません。
つまり、

テザリングをしない人
980(LTEプラン)+5985(LTEフラット)+315(LTE NET)=7280円
・テザリングをしたい人
980(LTEプラン)+5985(LTEフラット)+315(LTE NET)+525(テザリング)=7805円

となります。
ただし、今年いっぱいに契約するならテザリング料金2年間無料、LTEプラン1年間半額になるキャンペーンをやっています。


2つをまとめると、毎月の負担増は、

・今まで3Gだけで通信してて困る事も無くLTEにする人
7280-6555=725円の負担増、ただし今なら1年間335円
・今まで3Gでテザリングして困る事無くLTEにする人
7805-6555=1250円の負担増、ただし今なら1年間335円2年間725円
・今までWiMAXテザリングしまくってきてLTEにする人
7805-7080=725円の負担増、ただし今なら1年間-290円2年間200円

となります。
WiMAXのほうはプランEシンプルで計算しましたが、こっちにもLTEプランと同様のプランZシンプルってのがあります。料金も内容も同じですので、+200円となります。
auカップル同士でいちゃつきたいリア充様はこちらを選択する人も多いでしょう、その場合には、上の表は

・今まで3Gだけで通信してて困る事も無くLTEにするリア充
525円の負担増、ただし今なら1年間35円
・今まで3Gでテザリングして困る事無くLTEにするリア充
1050円の負担増、ただし今なら1年間35円2年間525円
・今までWiMAXテザリングしまくってきてLTEにするリア充
525円の負担増、ただし今なら1年間-490円2年間0円

となります。
思ったより高くはならなかった。むしろキャンペーンに乗ればしばらくは安いケースもあるくらいですね。


●速度的な話


LTEにすると将来的には高くなるのは分かった、じゃあそのメリットは何? となると、やはり通信速度でしょう。
こちらに3GとLTEの比較記事がありました。
http://appllio.com/comparison/20121019-2617-au-4glte-3g
引用すると、

通信速度測定アプリの結果では、3Gが下り3.97Mbps、上り0.80Mbpsであったの対し、
4G LTEでは下り28.64Mbps、上り4.96Mbps。受信時で約7倍、送信時で約6倍のスコア差となった。

だそうです。
LTEぱねええええええええ!!!!!


そして、こんな記事もありました。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/109/109093/

au 	iPhone 5 LTE 	7.51Mbps
au 	iPhone 5 3G 	3.10Mbps

あれ? LTEなのにそんなに速くなくね? うーん、これたぶん電波のつかみが悪いところで計測したんでしょうね。
つまり、LTEならどこでもかっとびって訳でも無さそうです。でも決して遅くはないです。


じゃあWiMAXはどうなのってなると、こんな記事がありました。
http://tokai.mapigation.jp/seihinnavi/newproductsitems/wimax_vs_xi.php
おおむね、10Mbps前後を維持してるようです。
ただし、これも電波が入ればこそ・・・。WiMAXLTEよりどちらかというとWi-Fiに近い規格なので、屋内にはめっぽう弱いのです・・・。


結論を出す前に、bpsとか言われてもワカンネって人もおられるでしょう。
ざっくり、LTEで24Mbps、WiMAXで8Mbps出るとしましょう。bpsは1秒間あたりのビット数なので、これをバイトに置き換えると、それぞれ3MB/秒、1MB/秒となります。
ここで、ヤフーのトップページを開くと仮定します。
PCのヤフーのトップページは260キロバイトほどのようなので、これを読み込むと、LTEでは0.08秒くらい、WiMAXでは0.25秒くらいかかります。
これだけ見るとLTEのほうがちょっぱや! ってなりますが、Webサイトを目で見れる形にするには通信する以外にも、画面に表示するためにダウンロードしたデータを解釈したり展開したりする時間があります。そちらのほうが圧倒的に時間がかかるのです。
例えばうちのVAIOだと、ヤフーのトップページを開くには1秒くらいかかってます。回線は実測で16Mbpsくらいなので決して遅いわけでもないのですが、PCですらこの有様です。
つまり、大きなファイルをダウンロードしたりするわけではなく、ちょこちょこネットを見たり、ツイートしたりといった程度なら、実はそんなに差が無いよって話です。


では結論です。
速度は圧倒的にLTEのほうが速い。でもWiMAXだってまあまあ速い。そしてどちらも電波が入ってこそ速い。
そしてスマートフォンで普通に使うぶんには体感的に差は感じられないように思われます。


通信制限的な話


ここまでは、LTEのほうが今から契約して1年とか2年くらいの間ならあまり今までと料金変わらないし、体感速度はともかく通信速度は速いし、もうLTEでいいんじゃねって感じですね。
しかしここに大きな落とし穴があるんですよ奥さん。
通信制限の話です。


3Gにおいては、直近3日で300万パケットを超えると速度規制がかかるよ〜ISDNレベルまで遅くなるよ〜あんま通信すんなよ〜って脅されてるのはほとんどの方がご存じかと思います。300万パケットっていうと、だいたい366MBくらいです。
せっかくスマートフォンにしたからYouTubeでも見まくってたらすぐにろくに見れなくなったって経験の人も多いんじゃないでしょうか。
YouTubeだと数分のPVとかでも軽く100MB近くはあるので、1日に数本見たらそれでもうアウトだったわけです。


ではWiMAXはどうかというと、なんと無制限です。
制限をかけるという予定も特に今のところアナウンスされてないです。
なので、パケット定額料に+525円さえ払えば、YouTubeを何本見ようが、PCでテザリングしてWindowsアップデートを行おうが、なんらおとがめ無しです。
すばらしす!


じゃあLTEはどうなの? というと・・・残念ながら規制はちゃんとあります。
月内に7GBを超えると制限されます。制限速度は3Gと同じです。つまり、大昔に電話線をモデムにつないでピーヒョロロロとかやってた時代に逆戻りです。
じゃあ7GBってどんくらいなのってなりますが、さきほど数分のYouTubeが100MBくらいとしましたが、まあ仮に80MBとしましょう。だいたい90回くらい見れます。
つまり数分の動画を毎日3回見たりしてると、ちょうど1ヶ月で規制がかかります。
これで十分な人がほとんどだと思いますが、えーまじかよ俺1日中ニコニコ動画に張り付いてるわって人は1週間ももたずに規制されるでしょう。
規制されても一応、2635円払うと解除されます。しかし2GB通信するとまた規制がかかります。


●まとめ


以上を以てまとめるとこんな感じでしょうか。


スマートフォンで動画なんてあんま見ない、もしくは動画を見るときは家のWi-Fiを使って見てる、テザリングでPCでネットしないって人には、LTEだろうがWiMAXだろうが関係ありません。テザリングしなければ3Gだけの機種でも平気なくらいです。今の機種に不満がなければ慌ててLTEにする必要は無いのです。ただ、そろそろ機種変したいなあって人は迷わずLTE機種を選ぶと良いでしょう。通信方式に関係無くやはり新機種のほうが他の点で色々と優れています。ただし今年いっぱいに機種変しないと大幅な負担増となります。


お外で動画見まくるぜ、むしろ生配信しちゃうぜ、テザリングしてPCからバリバリ通信するぜ時代はクラウドだぜって人は、今のところ制限のないWiMAXのほうが安心ですしほとんどの場合安いでしょう。
7GBを超えない自信があるなら、もちろんLTEでもいいんです。でも7GBの壁にビクビクしちゃうくらい使う可能性があるなら、私はWiMAXが良いと思います。
特に、PCは勝手にソフトがアップデートファイルをダウンロードしたりしますので、じわじわと通信容量が多くなります。いちいちこれらの設定をオンオフするのは面倒です。
ただし、auががんばったかいがあったのと通信規格上WiMAXよりLTEのほうが使えるエリアが広いので、中途半端な田舎とか屋内とかでも高速通信したいって人は、ビクビクしながらもLTEでしょうか。


●おまけ


さっき今年いっぱいでLTE機種にすればキャンペーンがあると書きました。
まあ普通の人はauショップとか携帯屋とか家電量販店で買うんだと思います。
新規の人はそれで良いでしょうが、私みたいに今の機種の毎月割がまだ継続してる人は、なかなか機種変しようとは思わないと思います。
そこでまあ、世の中には白ロム端末というものがあって、まあひらたくいうと中古みたいなもんなんです。
これをauショップに持ち込んで、「これ端末増設したいッス!」って叫べば、毎月割りは継続で、持ち込んだ端末に新しいLTE用のSIMカードを入れてくれます。
契約変更手数料として3150円かかるみたいです。


さてここで、この”端末増設”で上記のキャンペーンは適用されるのか、私気になります!
後日、実際にSHL21を持ち込み機種変してみました。
auショップの人曰く、テザリング無料も含めて、持ち込み機種変の場合は一切のキャンペーンは適用されないそうです。
iPhone5の時は適用されたのに、残念ですね。
ただ、今使ってる機種の毎月割がまだ続いている場合、白ロムのほうがトータルでは安くなる場合もあるので、持ち込み機種変も検討するに値はすると思います。