脱落

今日も母は寝たきり。
ですから、引き続きごはんくらい作ろうとは思ってたんですよ。


結論から言うと、もう私はクズオブクズ、殿堂入りのクズなんだと、再認識せざるを得ませんでした。
祖母からお金をせしめてできあいのお弁当を買ってきましたよ。
しかもパック寿司ですよ。
祖母のは380円の激安のやつなのに、自分のは高級ネタを集めた780円のやつですよ。
ほんとこんなんでどこに生きてる価値があるんだろうと思いながら、鯛うめえヒラメうめえって食べてました。
ビールとか飲んでるんですよ? 信じられませんよね。


言い訳をすれば、スーパーのちらしを見たら今日めかじきが安いから、よし、おとといきのうと肉料理が続いたから、今日は魚料理を作るぞとやる気まんまんだったんですよ。
ただし、スーパーにつくまでは。


なんかね、どう見ても私よりだいぶ若いスエット着たようなDQN夫婦が仲むつまじくめかじきを吟味してるんですよ。
これでいいんじゃない、いやお前もう少し大きいの食べなよ2人ぶんだろ、もぉたーくんたらぁ、とかそんな話を私の隣でしてるんですよ。
見たら奥さんのおなかには新たなる生命が宿ってるふうなんですよ。
このリア充どもめ、実はただのデブなんじゃねえのとかじろじろ見てたら、奥さんに睨まれましたよ。
ブルッてそそくさと逃げました。


もうね、嗚咽が漏れたね。
見た目だけでいえば私と同レベルのクズであって欲しいと願うようなDQN男ですら、こうして立派に結婚して料理どころか子供作ってるんですよ。
かたや私なんて、親に孫の顔見せるどころか、自分の顔すら恥ずかしくて見せられないようなダメ人間ですよ。
なんかもうこうなると、一生子供作れないような醜男にとっては料理作れないなんて些末な問題なんじゃないかと耳元で誰かがささやいた気がしてですね、気がついたら刺身も立派な魚料理だよなとかパック寿司コーナーに歩いて行ったわけですよ。


母は少し起き上がれるようになりました。
このまま回復してくれるといいな。