急変

朝起きたら、母が目が回って気持ち悪くて戻してしまうという大変な症状だったんです。
近所の内科に行かせたら、もっとでかいとこ行きなさいって事になって、これはもう大事だなと思いました。
タクシーに乗って大きな病院に行きましたが、なんのことはない、吐き気止め程度の薬だけもらって返されてきました。
車に乗ってさらに体調を崩しただけで終わるという悲劇ですよ。


診察では三半規管の不調って事なんですが、実は脳のほうだったらどうしようとか色々心配なんです。
テレビとかでよく、本当は怖い家庭の医学とかやってるじゃないですか。
あの時もしちゃんとしたところを受診していればみたいなやつですよ。
テレビには洗脳されないぞとか気合い入れてる私でも、やっぱりいざとなると不安になってしまいます。


私はクズ人間なので、母がいなくなる事自体ももちろん悲しいですが、どちらかというと父の介護をこれから私1人とかとても無理だから、母にはなんとか父より長生きして欲しいとか思ってるんです。
本当にクズですみません。


でもまあクズなりになんかしないとと危機感を持ち、夜ご飯は私が作りました。
他人のために料理するとか本当に久しぶりです。
冷蔵庫にあったもので適当に肉料理とスープを作ったんですが、普段食事の感想なんて全く言わないというかむしろ文句ばかり言う父が、このスープうまいなとか言うんですよ。
父はもう母が倒れたとか、このスープを誰が作ったとか、そんなのは全く認識できてないんですよ。だから私に気を使ってとかそういうわけじゃないんです。
今の父が感じた純粋な感想だったんでしょうね、死ぬほどうれしかったです。
でも、父がまだ元気な頃に何も親孝行なんてできなかったどころかクズ息子ぶりを見せつけては怒らせてばかりだったので、今さらおいしいスープを作ってあげた事に何か意味があるのだろうかとか、そんな事を考えてたら後で死ぬほど欝になりました。


じゃあこれから母にさんざん親孝行すればいいじゃないかって話なんですが、でも元気なうちって結局何もやらないんですよね。
私が真のクズたるゆえんです。